中野区 新井薬師前の歯医者 あおい歯科クリニック

あおい歯科クリニック

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オーラルフレイル 
―衰えは口から―

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは、 「お口の働きが衰えること」を指し、早い段階にあらわれる老化のサインとされています。

 

このようなささいな気づきは、ありませんか?
  • かたいものが食べづらく、やわらかいものばかり食べている
  • 食べるときにむせてしまい、こぼすことが多くなった
  • 入れ歯が合わず、よく噛めない
  • 滑舌がわるくなった気がする
  • 外に出て人と食事をするのが億劫になってきた
  • 口の中がかわく
  • 食欲がわかない

これらは、噛む力飲み込む力などのお口の働きが衰えていることにより起こっていると考えられます。
ささいな気付きを見逃すと、やがて、低栄養や社会からの孤立などを招き、身体的な衰えをも引き起こしてしまいます。老化は口からともいえます。

安全においしく食べることは、人生を彩る歓びであり、食べる意欲は生きる意欲となります。
健康な人生を送るうえでも、ささいな気付きを見逃さず対処することにより、健康寿命を延ばしましょう。

 

オーラルフレイルが認められた場合の危険性

オーラルフレイルが認められた高齢者の方には、以下の危険性があることも示唆されています。

  • 身体的フレイル発症リスク 2.4倍
  • サルコペニア発症リスク 2.1倍
  • 要介護リスク 2.4倍
  • 総死亡リスク 2.1倍

出典:大規模長期縦断 追跡健康調査(柏スタディ)

 

まずはご自身の今の状態を知りましょう

健康寿命を延ばすために、まず検査を受けてみましょう。
50才以上の方対象で、費用は健康保険適用、検査時間は10分程度です。

< 検査費用の目安 >

1割負担の方 250円
3割負担の方 750円

 

検査の内容について

クリニックでは以下の5つの検査結果をお渡ししています。

 

① 口腔の衛生状態

舌苔(ぜったい)の付着度をみます。

② 舌口唇運動機能

「パ タ カ」の発音が5秒間で何回言えるか測定。
5秒間で30回以上言えれば正常です。

③ 舌圧

舌の力を舌圧測定器で測ります。

④ 咬合力

現在の歯の数、義歯の状態をみます。

⑤ 嚥下機能

ご自身に記入いただいた質問シートから点数化して評価します。

 

「むせる」というのは、どういうことでしょうか
  • 食事中によくむせる
  • 咳が多く出る
  • 唾液が飲み込みにくい
  • 喉がゴロゴロして、声がかすれる

などの症状があると、嚥下(飲み込み)の働きが低下していると考えられます。

どなたも一度は、むせた経験があるかと思います。人間がむせるのは、咽頭で飲食物が気道を横切る構造になっていることが一つの要因です。むせ(咳反射)は、誤って気管に入った異物を外に排除する肺の防御反応の一つで、正常な反応ですが、機能の低下が進みますと、このような反応(咳反射)が出にくくなります。

口の中をきれいにしていること飲み込みの機能を鍛えておくことは、誤嚥性肺炎の予防にもなります。

 

 

オーラルフレイルは改善できる!

身体的な衰えをも引き起こしてしまうオーラルフレイルですが、実は改善が可能です。オーラルフレイルは、大きく4つの段階を踏んで、進行していきます。

第1段階 口の健康に対する関心の低下

第2段階 口の中のささいなトラブルの連鎖

第3段階 口腔機能の低下

第4段階 食べる機能への障害

第1段階から第3段階までは、歯科医師や保険事業者のもとで努力を続ければ、改善することが可能です。しかし第4段階に達してしまうと、前の状態に戻ることは難しく、介護が必要になってしまいます。

オーラルフレイルの予防、改善に大切なのは、ご自身のお口の健康に関心を持ちささいなトラブルを見逃さないこと早めに気づき対応すること日々の生活の中で進行しないように心がけることです。

予防について その1 - 口腔体操 -

口を意識的に動かして、口腔のはたらきを高めましょう。お家でかんたんに実践できる口腔体操をご紹介します。

 

① あいうべ体操

人間本来の鼻呼吸を意識した体操です。
あいうべ体操を行うことにより免疫力の低下も防ぎます。

口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かします。
意識的に大きく力を入れ、特に最後のべ~は舌を力一杯出し言ってみて下さい。

 

 

② パタカラ体操

食べ物を上手に喉の奥まで運ぶ、一連の動作を鍛えるための発音による体操です。

  • 「パ」の音は、口を閉じる

    ・食べ物を咀嚼する時に、口から出ないよう口唇をしっかり閉じるため

  • 「タ」の音は、舌を上あごにくっつける

    ・食べものを押し付けたり、飲み込む時に必要な舌の筋肉を鍛えるため

  • 「カ」の音は、口蓋(こうがい)の奥を意識する

    ・食べ物を飲み込む時に、気管に入らないようにするため
    ・また、息を止める筋肉を鍛えるので、誤嚥を防ぐ効果がある

  • 「ラ」の音は、舌をまるめる

    ・食べものを喉の奥に移動させる力を鍛えるため

③ 舌の筋肉の強化

舌のトレーニングです。
お口を閉じた状態でべろを回してみましょう。ゆっくり5回まわすとかなり疲れますが、筋肉の強化になります。
ベろの吸い上げ体操も舌の力の強化になります。

 

④ 頬や口の周りの筋肉の強化

毎回のブラッシングの際、口をゆすぐ時に意識して行いましょう。
お水を含んで少し長めにぶくぶくすることで、頬やお口周りの筋肉を鍛えます。

 

⑤ のどの強化

おでこ体操や頭部挙上訓練は、のどを意識して行ってみましょう。かなりのどに力が入ることがわかります。おでこ体操はいつでも、行ってみることができます。

予防について その2 - 口腔清掃 -

オーラルフレイルを予防するためには、歯と口をきれいに保つ「口腔清掃」は欠かせません。そこで3つのポイントをご紹介します。

 

① 歯磨き

お口の中には、400種類以上の細菌が存在しています。よく噛んでおいしくお食事をした後は、丁寧に歯磨きをしましょう。丁寧に磨く習慣をつけ、いつも口の中が気持ちよく、歯がツルツルしているようにしましょう。
特に夜寝る前の歯磨きは大切です。

 

② 舌の清掃 舌の色はピンク色でしょうか?

舌に白い汚れ(舌苔)がみられることがあります。
舌苔とは舌の表面にある凹凸に口内の細菌が堆積して苔状になったものです。正常な薄い舌苔自体は問題ありませんが、多量の白く厚い舌苔は、口臭の原因にもなります。歯ブラシを横に寝かせ、やさしく舌も磨くようにしましょう。
舌専用のブラシを使うと効果的です。

 

③ 義歯のお手入れ

義歯(入れ歯)を清掃する時は、必ず口から外して専用のブラシで細菌のかたまりを取りましょう。そのあとに義歯洗浄剤などを使うと効果的です。清掃を怠ると、口臭の原因になったり粘膜に炎症を起こしたりします。

 

 
噛みやすい食事で低栄養を予防、たんぱく質をとりましょう!特に朝!

噛む力が弱ってくると、食べられる量が自然と減り、体に必要な栄養素が足りなくなっていきます。この状態を「低栄養」と呼びます。体重が減るだけでなく、体力や免疫力も低下していき、要介護状態につながりやすくなります。

高齢期においても1日3食、食べやすい食事からたんぱく質などの栄養素をしっかりとることが大切です。

衰えは口から始まります。私共はクリニックに通える足腰丈夫でお元気な時から、お口の働きを維持できるよう、貢献していきたいと思っています。